ヴォルカ鹿児島0‐2ロッソ熊本

序盤から攻めこむロッソに対し、ヴォルカは守備陣の体を張ったディフェンスとオフサイドトラップでゴ−ルを許さない。ロッソを前半だけで10回以上オフサイドにかける。まずはしっかりと守備を固めて数少ないチャンスを活かそうとしていた。何度かカウンタ−からチャンスを掴んでいただけにこの作戦は悪くないように思えた。危ない場面もあったが、それはご愛嬌ということで(違)
ヴォルカは守備面では非常に集中していたと思う。裏のスペ−スのケアも出来ていたし、ラインの上げ下げにしてもそう。相手の攻撃を防いで焦らせるのも狙いだったのかもしれない。

前半を0‐0で折り返すと多数のプロ経験者を擁するロッソ相手の健闘しているという意味もこめてスタンドからは拍手があったが、素直に喜べない。まだ半分を折り返しただけなのにヴォルカの選手はかなり消耗しているように思えた。終盤にスタミナが切れて失点を喫する事がこれまでにもあったので、後半はそうなるかもしれないと不安が過った。

その予感は的中した。運動量が落ち、選手によってはプレ−の精度が極端に落ちている者もいた。裏を取られる場面も増え、そこから何度かピンチを招く。そして、後半20分についに失点。格上の相手に与えてはいけない先制点を与えてしまった。
そこから、ヴォルカも攻撃の場面は増える。西に当てて、頭で反らしたボ−ルを久野、藤田が抜け出すが、それに対してのフォロ−が遅いか、中で待っている味方がマ−クを振りきっていないためクロスの精度が悪いか、あげずにドリブルで斬り込もうとしていた。ドリブルはほとんど囲まれてしまい、打開できていなかった。空中戦ではそこそこ渡り合っていたものの、フィジカルコンタクトでは劣勢に立たされる。攻撃に幅もなく、抜け出してもその後が悪いヴォルカではロッソの守備陣からゴ−ルを奪うにはセットプレ−しかないように思えた。それもゴ−ル前でのフリ−キック。なので、終盤にあったゴ−ル前でのフリ−キックを決めれなかったのは痛い。結局、ロスタイムにもゴ−るを決められてヴォルカは0‐2で敗れた。これで3連敗
ヴォルカが浮上するためには、やはり終盤まで落ちない運動量をつけること、元プロ選手にも負けないフィジカルの強さを身につけること、そして、攻撃の質を上げる事だ。
ロッソの2トップが要所でクロスする動きをしていたが、ああいった横の動きを何度も繰り返すことにより、マ−クの受け渡しの際にズレが生じ、結果ディフェンスが崩れることになる。ヴォルカの攻撃は、西が頭で反らしたボ−ルをアウトサイドの選手やもう1人のFW(藤田)が追い越していく動きをしていたが、フォロ−を早くするのと、中央で張っているだけでなく、マ−クを振りきるために動く必要がある。それと、もう少し2トップがクロスするなど、互いにポジションチェンジを繰り返した方が良いだろう。また、サイドからいくときはサイドだけだし、中央から攻撃をするときは中央だけでしか攻撃していない。奥行きはあるが、幅がない。もっと例えば、サイドへ展開したらサイドをドリブルするだけでなく、1度中の味方と壁パスをするなどの動きもあったほうが良い。
ただ、攻撃に関しては、まださほど深刻ではない。問題はスタミナで、今回もバテた時間帯に失点を喫してしまった。今後、勝ちぬくためにはこの部分を補わなければならない。普段の練習でフィジカルトレ−ニングを増やすことも考えるべきではないだろうか。