【河合竜二】(2005/4/2)

2002年を最後に浦和レッズから戦力外通告され、トライアウトを経てマリノスに拾われた。マリノスでは中澤、松田の日本代表センターバックを筆頭に元日本代表の中西、将来有望の那須、栗原といったライバルが多く、常時スタメンどころかベンチ入りすらおぼつかない存在ながら、出番が来たら自分の仕事をキッチリとこなす姿はプロの鑑と言えよう。
マリノスに加入しても出番はないだろうし、すぐに戦力外通告を受けてすぐに放出されるのがオチとばかり思っていたがなかなかどうして。何時の間にか欠かせない存在となっている。
元々戦力外でトライアウトで獲ったわけだし、日本を代表する選手でもないため、比較的安価な値段で済むし意外な掘り出し物だった。
しかし、この選手、マリノスではストッパーとしてプレーしているが、レッズ時代はMF登録だった。通常、MF登録の選手がDFでプレ−している場合、「ああ、やっぱりあの選手はMFだなぁ」と感じてしまうことが多いが、河合の場合
根っからのストッパーにしか見えない
例えば同じチームメイトの上野がたまにDFで使われることがあったが、そのときの上野のプレースタイルは、カバーリングをしっかりとし、ボールを持ったら的確に散らすという本来のポジションでのプレーをDFの位置でこなしていた。
レッズの内館にしても、DFでの起用が多いが、MF登録の選手でMFでのプレー経験も持つ。その内館のプレーもDFのときよりもMFのときの方が動きが良い印象を受けるし、ディフェンスの仕方がMFのそれに近い(巧く表現できないけど…)
しかし、河合の場合
どっからどう見てもMFの面影をまったく感じない
体型もガッシリしていているし、相手のオフェンスの選手に真っ向からぶつかっていく姿は、攻撃の起点になる動きや、的確なポジショニングで攻撃の芽を摘む動きをするMFの気配がまったく感じず、やっぱりストッパーにしか見えない。
ただ、これだけは言える。
マリノスはこういった選手が控えているからこそ強いのだろうし、マリノスでのプレーを他のクラブですれば確実にレギュラーになれるし、まともな日本代表監督であれば1度は代表で使ってみたいと思うに違いない。セレッソあたりは喉から手が出るほど欲しい選手だと思う。
チャンピオンシップでは古巣レッズ相手にゴールまで決めちゃうし、松田、中澤と共にレッズオフェンス陣を封じて見せた。河合は、レッズ戦は特に良い動きをする。それは、レッズに
自分の成長した姿を見てもらおう
というスポ−ツマンならではの爽やかさではなく
俺をクビにしたことを後悔させてやる!!
と言わんばかりの怒りにも近い感情を感じる。よっぽどレッズに恨みでもあったのあろうか。