アメリカ戦雑感

日本のスタメン
GK 川口能活(23)
DF 田中誠(2)、宮本恒靖(5)、中澤佑二(22)
MF 加地亮(21)、遠藤保仁(4)、福西崇史(15)、三都主アレサンドロ(14)、小笠原満男(8)、小野伸二(18)
FW 久保竜彦
交代
HT*1巻誠一郎(16)→遠藤、佐藤寿人(27)→久保
54分、阿部勇樹(30)→福西、長谷部誠(17)→田中
67分、本山雅志(19)→小野
得点
60分 巻、89分 中澤
警告(b)退場(s)
25分 遠藤(b)、31分 中澤(b)
※()は背番号


前半の展開
アメリカのやりたい放題ペース。個々のテクニックに関してはほぼ互角。しかし、フィジカル、運動量、組織力には雲泥の差があり、日本は何もさせてもらえない。
まず、アメリカは陣形をコンパクトにし、動いて数的優位の状態を作り上げ、日本の選手の自由を奪う。そして、奪ったボールは無駄にこねずに前線へ預ける。そこから、ドノバンやデンプシー等の個人技&まわりの選手のオフ・ザ・ボールの走りこみによってチャンスを演出。フィジカルで勝っていたため、ロングボールも非常に有効な戦術だった。
三都主も加地もDFに吸収され、MF陣も深い位置にまで戻されるもんだから、久保は前線で孤立、フォローは遅いよって前でボールが繋げない悪循環。また、守備陣は、アメリカの運動量の多さにマークを捕まえきれてない模様。川口の奮闘もあり、前半は2失点で済んだものの、これは完全に勝ち目なし、後半もサンドバック状態は免れないかと思うほど…。格闘技みたいにセコンドのタオル投入有りというルールを作れと思った(爆)


後半の展開
久保と遠藤を下げ、寿人と巻を投入。システムを3‐4‐1‐2に代える。
小野をボランチに下げ、小笠原の1トップ下に。しかし、小笠原はこれまでの代表戦では1トップ下よりも2トップ下の時の方が良い動きをしていた*2ので、前の選手をただ増やしただけにすぎないと感じる。小野の場合は、ドリブルで仕掛けるタイプの選手でもないし、フリーでボールを散らす動きをさせた方がいいと思うので、ボランチ起用は賛成だが。
後半開始直後は前半とそんなに変わらない展開。むしろ、中盤の人数が減った事により、アメリカが攻めやすくなったのでは?と感じるくらい。で、後半5分にセットプレーかたデンプシーにやられる…。ああ、大量失点間違いなし…。そう感じさせる…。
その後、ジーコは動く。阿部、長谷部を投入し、システムを4‐2‐2‐2にチェンジ。攻撃的な布陣に変更する。しかし、あの内容で重要なことは、攻撃的にいくことは勿論なのだが、ただ、攻撃的な選手を投入して、システムを前掛かりなものにすればどうにかなるという問題ではない。アメリカからボールが奪えない、セカンドボールが拾えない、運動量が足りないわけで、大事なのは選手交代ではなく、意識の問題ではないのか。陣形を前掛かりにしたため、余計に危なくなるのでは?と思うんだけど…。
まあ、でも長谷部の投入はプラスだったと思う。ドリブルでボールを運び、キープも出来るので、前でタメが作れるようになり、サイドが上がってくる時間を作れるようになった。小野がフリーでボールを貰えるケースも増え、小野から精度の高いパスが来る場面も見られた。アメリカの運動量が落ちたのと、2トップの2人が前から果敢にプレスをかけたのも手伝い、後半は、日本はアメリカと互角の展開になる。
しかし、後半だけ互角に戦っても、前半に圧倒され、3点先攻*3されてしまえば、どうしようもない。前半の悪い状態がそのまま敗北に繋がった感はある。

総括
前半に、アメリカが豊富に動き回り、ペースを握らせてもらえなかったのが痛い。後半はチャンスは作れていたが、結局、組織力に雲泥の差があったのが敗因だろう。この試合に限って言えば、3点先攻されたのが原因だが、その状態を作ったのは、日本の組織力のなさから来るもの。日本は、国外組がいなかったけれど、それはアメリカも同じ。あのメンバーにレイナやマクブライドやビーズリーが加わるのだから、本番はもっと強力になっているかも。世界の強国と闘うのに、組織力が低かったら、勝てるわけがない。何とか本番までに組織力を高めてもらいらいものだけど…。

*1:ハーフタイム

*2:といってもほとんどの試合は及第点くらいの評価。7点以上のプレーは代表で見た事がない

*3:3点目は後半の5分にだけど